枠を飛び越えたいと願っているのだから。
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枠を飛び越えたいと願っているのだから。
小さい頃は、自分の意見を強気に出せていた。 でも、周りの意見に押しつぶされ、痛い目に合ってからは、おしとやかに自分を隠すようになった。 良いと思うことも悪いと思うことも、思うだけで言わなかったり、同意したりして思っているだけで行動しない人間になっていた。
でも、ある人がきっかけで同じようになりたいと思うようになった。 強気な発言。恐れない勇気。立ち向かう姿勢。 「自己の確立」そんな風に思ってしまった。 常に周りに合わせることを意識していた自分からしたら、輝いて見えた。 「少し発言してみようかな?」 そんな些細な入口だったけど、全然大丈夫だったのを今でも覚えている。 人の意見を拒絶しない人たちに、たまたま囲まれていたという周囲の影響も大きかったと思う。拒絶者達に同じことを言っていたら過去の悲劇再びだったかもしれない。
初めの一歩。がとても大事だなとよく思う。 初めにつまずくと後が大変。でも初めに「何だ。こんなもんか。」と思うことができれば、自信になるから次に繋げることができた。 一つ知ることで立ち向かう強さみたいなものを手に入れた気がした。
時が経ち、発言だけでは変えられないことがあることを知った。 理屈が通じない相手もいることだった。 それでも、頑張ってどうにかしようと試行錯誤した。 でも、結局は、何一つ変えることはできなかった。 立ち向かった日々を無駄にしたくなかったから、次に進むための行動が遅れてしまったけれど、結果的に行動に移すことができたおかげで自分を取り戻す一歩が踏み出せた。 あのまま何も行動せずに、自分を押し殺していたらきっとここには居なかったと思う。
行動することは、リスクを伴う。 大人になればなるほど大きくなり、動けなくなってしまった。 「私は大丈夫。」そう思っていても逸れる道を選ぶのは、怖い。 今いるところでも、それなりに大丈夫なはず。 でも、このままこの道を進んでいたら絶対に後悔する。 そう思っていても進めない。 決断できない自分がいる。
自分だけならまだしも。 大人になると責任を伴う。生活もあるし、立場もある。 考えてしまうほどに結論が得られないから行動に移せない。 行動したいという気持ちはあっても、折れてしまうことの方が圧倒的に勝ってしまう。 だから進めない。
本当に進みたい気持ちがあるなら進めばいいじゃないか。 人のことならそんなふうに思えてしまう。 でも、自分事となると圧倒的に弱気。ネガティブ要素ばかりが先行される。 「責任」という言葉の重さを過度に意識しすぎて囚われているのかもしれない。 自分の中に「枠」を作ることで、そこから出られなくなってしまう。 意識の問題だけれど、できないと決めつけてしまうと枠を飛び越えてまでリスクを背負うことに抵抗が出てくる。 反対に、できるためには、どうすればいいのか?を考えすぎても枠を抜け出すことが困難になる。
諦めることで行動に移せた自分がいた。 諦めるのは、これ以上考え続けてしまう自分の頭。 各方面から色々考えた。ずっと考えた。どうすればいいのか?どうしたらいいのか?何年も費やし、いっぱい調べた。 でも、結局は、結論が出ない。 これ以上考えても無駄。そう思っていても抜け出せない。 ようやく抜け出せたのは、苦しくてどうしようもなくなってしまった時だった。
あまりにも心が苦しくて、とにかく逃げることしか頭になかった気がする。 行動した。というよりは、せざるを得なかったんだと思う。 でも、できた。 ようやく行動に移すことができた。 できれば、自分が蝕まれる前に行動したかったとも思うけれど、 ずっと苦しんできた自分をやっと解放することができた。
ちゃんと準備して行動したわけではなかったから、とにかく大変だった。 違う意味で路頭に迷うことも多かった。 でも、進めたことは本当に良かったと思っている。 「進んだ」という事実が前を向くための原動力になり、頑張る方向を導いてくれた。
ずっと自分を取り戻したいと思っていた。 こんな自分は嫌だ。もっと自由に。楽に考えていきたい。 でも、今の自分にはできない。 だから、どうしても環境を変える必要があったと今でも思う。 行動することで、困難な道に進んでしまうかもしれない。 けれども、踏み出せずにはいられない衝動があった。
自分を取り戻したいと。ずっと思っていた。 でも、そんな思いとは裏腹にずっと正反対の生き方をしてきた。 そうせざるを得なかった。ずっとそう思ってきた。
自分を破滅に追い込むのも自分。 楽しくゆっくりと歩いていくのを選ぶのも自分。 選択の自由があるのに選ばないのも自分。 「できない。」と決めつけているのも自分。
枠を飛び越えて行動することは、 とても勇気がいるけれど、自分を取り戻すための大事な要素。 人生を変えるくらいの大きな変化を求めているのだから、 リスクを感じないはずがない。
それでも、心が壊れてしまう前に行動できてよかった。
あじはた